議会報告ASSEMBLY REPORT

2022.04.12 カテゴリ:令和4年2月定例議会 3. 奈良っ子はぐくみ条例について

<質問>

 県は、どのような考え方で奈良っ子はぐくみ条例を制定し、今後、どのように本県の子どもたちをはぐんでいこうとしているのか。

 

(知事答弁)

 子どもは、家庭の子どもであるとともに、社会にとっても大切な子どもであると考えています。しかし、これまで、我が国においては、社会はどのように子どもをはぐくんでいくべきかについて、理念が明確化されておらず、様々な法令に基づく施策が国と地方において、所管部署ごとに縦割りで行われてきたように思います。

 

 その一方で、現在の子どもを取り巻く状況を見ますと、核家族化や地域における人間関係の希薄化等に伴い、子どもが多くの大人から見守られ、多様な経験を重ねながら、安心して育つことができる環境が損なわれつつあると考えています。

 

 そこで、子育てを家庭任せにするのではなく、本県で育つ全ての子どもたちが、将来に夢と希望を抱きながら健やかに成長することができるよう、明確な理念を持って、社会全体で子どものはぐくみに取り組むために、「奈良っ子はぐくみ条例」を制定したいと考え、今議会に提出したところです。

 

 この条例では、本県が目指す子どものはぐくみを3つの基本理念としてまとめています。そのポイントは、まず、「子どもにとっての最善の利益を優先すること」、次に「科学的知見に基づいて、子どもの成長の可能性を最大限に拡げること」、そして「子どものはぐくみを社会全体で支えること」です。

 

 また、条例で体系化した基本的施策の主なものをあげますと、まず、就学前の子どもに対し「教え込む」のではなく、音楽や芸術に触れて心を動かす、スポーツに親しむ、楽しく遊ぶ・食べるといった機会を県が直接提供し、自尊心と利他心をはぐくむことです。

 また、ひとり親家庭等、経済的困難を抱える子育て家庭に対する生活支援や就労支援を充実することで、家庭環境に左右されない健やかな育ちを、県が保障することを目指したいと考えています。

 令和4年度予算案において、以上のような考え方と施策の内容を実現するため、様々な施策を新規予算として計上させていただきました。

 

 これからも、県の責務として、子どものはぐくみに関する施策を市町村や関係機関等と連携・協力しながら推進し、子どもたちを社会の子どもとして、ともにはぐくんでいく役割をしっかりと果たしていきたいと考えています。

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