議会報告ASSEMBLY REPORT
2021.07.19 カテゴリ:令和3年6月定例議会 3.ヤングケアラーへの支援について
<質問>
ヤングケアラーへの支援が十分ではない現状を踏まえ、県は、この問題をどのように捉え、 対策を講じていこうとしているのか。
(知事答弁)
ヤングケアラーは、近年顕在化してきた子どもに関する大きな社会問題ですが、県ではこの問題を含め、虐待や貧困の問題など、子どもに関する様々な問題を全面的に解決できるよう努力していきたいと考えているところです。
ヤングケアラーといわれる子どもは、本来は大人が担うような家事や家族の世話を日常的に行っているため、学びや遊びなどを通して健やかに育つ権利が保障されていないと認識しています。
この問題の背景には、まず、世帯人数の減少や共働きの増加等により、家庭内でケアを担う人が少なくなってきていることがあります。また、親だけではなく子ども自身も、子どもが家族の世話をすることは当たり前だと思っていたり、子どもが不満を感じていても、家庭内の問題だからと言い出せず、周りにいる大人が気づきにくいということを聞いています。
そこで、ヤングケアラーへの支援の方向性として、次の2点が重要と考えています。
まず、日常的に子どもに接する学校や、在宅介護の家庭を訪問するホームヘルパーなどの福祉関係者、地域でこども食堂等の活動を行う方々など、身近にいる大人が子どものケア負担を見逃すことなく、相談に対応する窓口に確実に繋げることが必要だと思っています。
次に、ヤングケアラーを支援する際には、児童・介護・障がい等福祉と教育の関係者が密接に連携し、子どもの気持ちに寄り添いながら、家事援助や介護保険サービス等を適切に利用できるよう家族を支援することで、子どものケア負担を丁寧に取り除くことが大切だと思われます。
県では、本年6月3日、ヤングケアラーへの支援の連携体制づくりや具体的支援策を検討するため、庁内連携会議を立ち上げたところです。
今後、この会議を軸に関係者への啓発・研修、関係者ヒヤリングや子どもに関する審議会等での意見聴取を進めたいと思います。また、県教育委員会が実施した中学生・高校生の実態調査結果を分析するなど、ヤングケアラーの早期把握と支援にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
また、最初に申し上げたとおり、このことを含む子どもに関する様々な課題に全力で取り組んでいきたいと考えています。