議会報告ASSEMBLY REPORT
2020.12.22 カテゴリ:令和2年11月定例議会 4.豊かな食と農の振興計画について
<質問>
「奈良県豊かな食と農の振興計画」について、食と農の振興部長にお伺いします。
県では本年4月、「奈良県豊かな食と農の振興に関する条例」を施行されましたが、私は、「食」と「農」の関係に着目した素晴らしい条例だと思います。
「食」は私たちが健康な生活を送るうえで欠かすことのできない大切なものです。そして、その「食」のもととなる安全で安心な農畜水産物を供給しているのが「農」であります。
奈良県は、柿やイチゴ、大和茶などが主要農産物として知られていますが、実は、いちじくも生産が多く、出荷量が全国7位と上位にあり、私の地元、大和郡山市がその主産地であります。本年2月には、大和郡山市産のいちじくを使ったワインも発売され、大変好評を得ています。
そのほか、大和郡山市では、学校給食で地元産野菜を利用する「大和郡山の日」や地元の野菜で作る「大和郡山カレーの日」を設定し、地域で古くから栽培され、親しまれてきた伝統野菜である「大和丸なす」をはじめとした様々な地元の野菜を通じて、子どもたちに食と農の大切さを理解してもらう取組も進んでいます。
また、食に目を向けますと、最近地元の野菜や肉をメニューに取り入れる飲食店が増えているように思います。私の地元でも、NAFICフードクリエイティブ学科の卒業生がレストランを経営されています。四季折々の新鮮な県産野菜や畜産ブランドを使ったメニューが評判で、NAFICで学ばれた成果を存分に発揮され活躍されているのは嬉しい限りです。このように、今後も地元の農産物を使ったおいしい飲食店が増えていけばよいと思います。
さらに、県におかれては、中央卸売市場の再整備の計画が進めてられており、卸売機能であるBtoB(ビートゥービー)の整備に加え、一般消費者を対象としたBtoC(ビートゥーシー)機能として、市場機能と連携した食を通じた新たな賑わいの整備を進めようとされています。
このように、食と農には密接な関係があり、県民が健康で豊かな生活を送るためには、大変重要なものであると考えています。
県におかれては、本年度、豊かな食と農の振興に関する条例の目的を達成するための施策を定める基本計画を策定すると聞いており、その内容に大いに期待しております。
そこで食と農の振興部長にお尋ねします。
今年度策定する、奈良県豊かな食と農の振興計画では、どのような点に重点をおいて、食と農の振興に取り組んでいこうとしているのか、考えをお聞かせください。
(食と農の振興部長答弁)
食は私たちが心身ともに健全で豊かな生活を送る上で不可欠なものです。また、良質な食材の提供により、食を支えているのが農です。消費と生産、食と農は不可分なものであり、その一体的な振興が重要と考えています。
この考えのもと、今年度内に、「豊かな食と農の振興計画」の策定を予定しており、今後、食の魅力づくりと、それを支える農業の戦略的な生産・販売を一体的に推進してまいります。
具体的には、まず、NAFICにおける食と農の両面を理解した人材育成の取組があります。NAFICでは、農業や農作物に関する知識を持った「食の担い手」と、農作 物がどのように食べられるかのといったニーズを見極める力を備えた「農の担い手」の育成を進めています。
また、来年7月にオープンを予定している東京の「奈良まほろば館」新拠点や中央卸売市場の再整備では、農産物の販売・流通の促進だけでなく、消費者が食や農と触れあい、楽しむ拠点としての機能を備えることとしています。
新たな動きとしては、ガストロノミーツーリズムの取組があります。地域の気候風土が生んだ食材はもとより、その土地の食文化に触れることを目的としたガストロノミーツーリズムは、奈良の農業や農村が持つ魅力を食とともに提供することで、食を味わいながら農を楽しむ新たな観光として、地域の活性化に寄与できると考えています。
そのほか、食を通じた健康増進や子どもの健全育成といった観点も含め、今後、食と農の一体的な取組を進めてまいりたいと考えています。