議会報告ASSEMBLY REPORT

2020.12.22 カテゴリ:令和2年11月定例議会 7.修学旅行の実施状況について

<質問>

コロナ禍における修学旅行の実施状況について、教育長にお伺いします。

 

修学旅行は単なる観光旅行ではなく、文部科学省が示す学習指導要領において、特別活動における旅行・集団宿泊的行事の一つとして位置付けられ、諸外国には類例のない教育活動であると聞いています。

 

この行事のねらいは、校外の豊かな自然や文化に触れる体験により、学校での学習活動を充実させることはもちろんのこと、校外における集団での活動を通して、基本的な生活習慣や公衆道徳などについての体験を積み、互いを思いやり、共に協力し合ったりするなどのよりよい人間関係を形成しようとする態度を育てることなどに加えて、先生と生徒、また生徒相互の人間的な触れ合いを深め、楽しい思い出をつくることが含まれており、他の教育活動では容易に得られないものとなっています。

 

このようなねらいを踏まえると、その教育的意義は大きく、学校生活における諸活動の中でも、参加する児童・生徒にとって最も強い印象として残り得る、極めて価値の高い教育的体験活動であると認識するところです。

 

本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、年度当初の学校臨時休業に始まり、スポーツや文化を問わず、様々な行事ごとが全国的、全県的に中止となる中で、今なお修学旅行の実施について不安を抱え、検討を余儀なくされている学校も多いのではないかと考えます。

 

また、最近では、このような状況の中で、修学旅行の代替行事として、コロナ禍における新たな取組「オンライン修学旅行」なるものが行われていると聞きました。県内の小学校では、本来、修学旅行で訪れる予定であった広島市とオンラインでつながり、被爆者の体験を聞いたり、画面を通じて提示される資料から、原爆の恐ろしさや平和について学んだりしたそうです。授業後の児童の感想では、「資料がたくさんあってよかった」とオンライン修学旅行の良さを実感している一方で、「やっぱり、広島に行ってみたかった」と現地への思いを告げています。

 

ここに来て報道等では連日感染者の増加が伝えられており、更なる感染拡大の状況も気になるところではありますが、その教育的意義を踏まえたときに、例年と比べて学校生活の大きな思い出となる活動が少ない児童生徒に、せめて修学旅行を何とか実施させてやりたいと考えるところです。

そこで、教育長にお伺いします。

 

本年度のコロナ禍の中で、県立学校における修学旅行の実施状況はどのようになっているのでしょうか。また、更なる感染拡大が懸念される状況の中で、今後の修学旅行の実施についてはどのように考えているのか、お聞きかせください。

 

(教育長答弁)

本年度の県立学校の修学旅行については、年度当初には新型コロナウイルス感染拡大状況に見通しが立たず、多くの学校で2学期以降に延期することとなりました。

 

県教育委員会としては、修学旅行のもつ教育的意義や学習効果、また児童生徒の心情にも配慮し、「可能な限り中止ではなく延期扱いとすること」「近距離での実施や旅行日程の短縮等実施方法の適切な変更を検討すること」「すでに取りやめた場合においても、改めて実施することや代替の旅行・集団宿泊的行事を実施すること」などの考え方を各学校に示したところです。

 

これを受け、特別支援学校では、安全に配慮し交通手段や行き先を検討の上、実施時期を2学期に定め、すでに、高等養護学校を除き実施済みとなっています。一方、高等学校では、中止を決定した学校が7校、すでに実施している学校が4校、3学期に実施予定の学校が22校となっています。

 

今後、県教育委員会としては、第2学年での修学旅行が中止となった学校に対しては、第3学年でクラス単位での遠足を泊を伴う行事として実施することを、コロナ禍に限っては認め、特別活動の柔軟な取組を進めてまいる所存です。

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