議会報告ASSEMBLY REPORT
2020.07.17 カテゴリ:令和2年6月定例議会 7 がんゲノム医療体制について
<質問>
県内のがんゲノム医療体制の現状はどのようになっているのか。また、今後がんゲノム医療を希望する患者が、県内で相談から治療まで受けることの出来る体制整備に向けて、どのような取組を進めようとしているのか。
<知事答弁>
がんゲノム医療とは、がん細胞の遺伝子を解析し、本人の体質や病状に応じたがん治療を可能にするものであり、治療方法が見つからない患者さんや標準治療が終了した患者さんから期待する声も届いていおります。
我が国のがんゲノム医療にかかる医療体制として、3種類の病院があります。最初に「がんゲノム医療中核拠点病院」が12箇所設置されています。これは治療だけでなく、新薬の開発に必要な「治験」をはじめとする臨床試験等の研究を行う病院です。
次に「拠点病院」が33箇所あります。治療方針を決定する専門家会議を設置し、他の病院の支援を行う病院です。さらに「連携病院」が全国で161箇所、国により指定されています。拠点病院の支援を受けながら、連携して相談、治療を行う病院です。
本県では、「がんゲノム医療連携病院」があり、従来から指定を受けていた県立医科大学附属病院、近畿大学奈良病院に加え、この4月に新たに、奈良県総合医療センター、天理よろづ相談所病院が指定されたところです。
一方、がんゲノム医療に欠かせない各診療科を横断的にマネジメントする、がん薬物療法専門医の数は、令和元年度の5人から今年度は8人に増えましたが、人口百万人あたりで比較すると、全国平均11.1人に対し、本県は6人と少ない状況です。
がんゲノム医療の専門的な人材育成の場として、ほとんどの国公立大学医学部に「腫(しゆ)瘍(よう)内科学講座」が設置されており、本県においても、人材育成及び研究の場として、奈良県立医科大学附属病院に講座が早急に設置されるよう、今年度より財政支援を講じていくこととしているところです。
県立医科大学附属病院が県内のがんゲノム医療の牽引役となり、他の「連携病院」とともに、より質の高いがんゲノム医療を県内において迅速に行える体制を整備していきたいと考えています。